壁魚雑記

漢籍や東洋史関係の論著を読んで気づいたこと、考えたことの覚書きです。ときどき珍スポ。

越後製菓は不正解

西晋武帝が人の乳で育てた豚肉を食べた話は有名だが、貴族の生活が奢侈に流れた晋代では贅沢三昧のエピソードに事欠かない。

西晋の丞相となった何曾も食にこだわりが強かったようで、衣食住の豪奢は「王者を過ぐる」といわれ、一日の食費に一万銭を費やしても「箸を下ろすところがない(食べるものがない)」などとうそぶいていたそうである。

『晋書』巻33 何曾傳

然性奢豪、務在華侈。帷帳車服、窮極綺麗、廚膳滋味、過於王者。每燕見、不食太官所設、帝輒命取其食。蒸餅上不坼作十字不食。食日萬錢、猶曰無下箸處。

そんな彼の美食ぶりを象徴するのが「蒸し餅の表面が十字に割れないと食べなかった」という何とも貧相なエピソードなのは、いかがなものか。それでいいのか、何曾。

何曾は確実に、切り餅については越後製菓よりサトウ派だろう。

 

切り餅 パリッとスリット 1kg

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