壁魚雑記

漢籍や東洋史関係の論著を読んで気づいたこと、考えたことの覚書きです。ときどき珍スポ。

2014-02-01から1ヶ月間の記事一覧

花の張巡~雲のかなたに~

唐代の忠臣をあげるとき、張巡の名は外せません。彼は安史の乱に際し、安史軍が河北・河南を席巻するなか、睢陽に拠って孤立無援の籠城戦をくりひろげた名将として知られています。 また、睢陽の攻防戦は、城内の女性を飢餓に苦しむ兵士の食糧に供したことで…

唐代のソグド系医官

『北夢瑣言』巻6「同昌公主事」に、唐の懿宗の愛娘である同昌公主が病死した際、その責任を負わされた医官が族滅されたという記事が見えます。 『北夢瑣言』巻6「同昌公主事」 因有疾、湯藥不效而殞、醫官韓宗昭・康守商等數家皆族誅。 同じ事件について、『…

「仮子」雑考

唐・五代を中心に、中国史上には「仮子」と呼ばれる人々が散見します。史料上では「義児」「義子」「義男」など、または単に「養子」とも書かれ、広く異姓養子を指すのですが、この「仮子」概念を多くの研究者は、宗族の祭祀を絶やさぬための純粋な後継者と…